認知症と危険認識

認知症について、危険認識という言葉はご存知でしょうか。

危険認識とは、その言葉の通りの意味です。認知症においては、症状の一つとして物忘れがありますが、
その程度によって別の様々な症状を引き起こしていきます。それと並行して、危険を察知する能力も
低下していきます。その際に使われるのがこの危険認識という言葉です。

例えば、認知症の初期の段階では、単純な物忘れが起こりますが、
それはある対象物についての注意力が散漫になっていることに他なりません。
それが初期の段階における危険認識の一つと考えても良いでしょう。

認知症がさらに進むと、時間や方向感覚が低下していき、
やがては自分が誰であるかわからなくなります。

そこまでいくと、例えば炎を見ても危険と認識することができなくなります。
認知症でない方は、炎を見てまず炎と認識します。その後で過去の経験などから
炎は危険であることを思い出します。

その結果、炎は危険であると認識できるのです。この流れが一瞬の間に行われるのです。
しかしながら、認知症はたったいま、自分がしたことすら忘れるような状態ですので、
この当たり前の流れが途切れてしまうのです。

その結果が危険認識の低下や喪失となるわけです。
他にも、刃物やガラスなどに対する、通常ならば誰もが持っている
危険認識が認知症患者には失われています。

これは赤ちゃんなどを想像すればわかるでしょう。赤ちゃんは何でも飲み込んでしまいますが、
あれは危険認識が未発達であることで起こります。順序は逆ですが、認知症になった場合は
危険認識が失われ、物を飲み込んでしまうのです。

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