認知症と注意力

認知症の症状を説明する上で、注意力というものに
目を向けるのもいいかもしれません。

認知症は、初期段階での症状として、物忘れを引き起こします。
それは認知症の発症前の段階では、多くの人がするのと同じように、
単なる物忘れとして現れます。ものの置き場所を忘れたりするといったものです。

しかしながら、認知症が進むと、普通ではありえない物忘れが起こります。
それは朝ご飯を食べた後、食器を洗い終わって席についたとたん、
朝ご飯を食べなくちゃいけないという衝動にかられるような症状です。

物忘れの他に、認知症が引き起こす不安感などがあいまって、このような症状が起こります。
ただ、物忘れの症状について一つ言えることは、患者は常に注意力散漫な状態にあるということです。

数秒前に話したことを次から次へと忘れるような状態ですから、
本人はそうは思っていなくても、はたから見れば注意力散漫な状態なのです。

この注意力散漫な状態がさらに進むと、例えば自分が危険な状態にあることにも気が付かなくなります。
われわれは火を見れば危険とすぐわかります。当たり前のような認識ですが、厳密に言えば、
それは火を見て、火と認識し、過去の経験から火は危険であることを思い出し、
火は危険と認識するという過程をたどります。

認知症の場合はその作業の途中で物忘れが起こり、
火は危険と認識するに至らないというわけです。

このように、注意力が失われることは、場合によっては大きなトラブルを引き起こしかねません。
認知症の方と接する場合は、このような点にも気を付ける必要があるのです。

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